おはようございます。中川です。

皆さんはdesign、Design, DESIGNの違いを知っていますか?
まず、デザインという言葉を聞いてどのような事を思い浮かべるでしょうか?
ファッション、建築、グラフィック・・・。
どの分野でも最近はデザインの重要性が語られています。
その一方で、この言葉が示す定義が人や業界、状況によって大きく異なることも増えている事実があります。

特に最近ではデジタルメディアや複数のデバイスで異なるカタチのデザインが出現しています。
そして、デザイン思考などの概念的な意味でデザインという言葉を使うシーンも増えてきています。

多種多様になったデザイナー職

これはもう一つの単語で表現するには限界があるほどのレベルになってきています。
なぜなら、デザインに関連する職業名を見ても、下記の様にあります。

グラフィックデザイナー
Webデザイナー
UIデザイナー
UXデザイナー
コミュニケーションデザイナー
プロダクションデザイナー
パッケージデザイナー
ファッションデザイナー
モーショングラフィックデザイナー
インテリアデザイナー

これに加えアートディレクターやイラストレーターなど、
ありとあらゆる仕事にデザイン的要素が散りばめられています。
※本来、イラストレーターはむしろアーティスト寄りの仕事であり、
厳密にはデザイナー職ではないですが、日本ではデザイナーの一人に数えられたりもしてます。

 

経営にもデザインを活用する時代

最近では経営者にもデザイン的な思考が求められ、
デザイン思考やサービスデザインといった非デザイナー向け、デザインスキルというものまで存在します。

ここまで来るとすでにデザインという言葉の表す概念と、
適用される領域が多種多様になりすぎて、デザインの意味が非常にややこしくなってしまっていますね。
そして、「デザインできます」の意味もちゃんと詳しく聞かなければ特定しにくいです。
既存のデザイナーからしてみると、「それデザイナーじゃないよ」と言われる様な内容でも、
ちゃんとデザインとして成り立つ時代になっているのです。

 

design, Design, DESIGN

どんどん広がるデザインという言葉の概念をなんとか識別するため、
英語での表記方法を変えて表現するケースが増えています。
カバーする領域とユーザー数、そしてそのインパクトのスケールに合わせ、
design, Design, DESIGNとなります。
ではそれぞれの表記方法の意味合いと、その場合のデザイナーの仕事内容を説明したいと思います。

1. design: 見た目のデザインが中心
おそらくデザインと聞いて最も多くの人々がイメージするのが、この小文字のdesignです。
いわゆる、見た目の良さを追求し、商品やサービスの良さを届けるのが役割。
ある意味、昔からあるデザインの概念と役割。デザインの種類例としては下記が挙げられます。

・グラフィックデザイン
・工業デザイン
・広告デザイン
などが代表的で、その特徴としては

・特定のユーザー向け
・完成させることが目的
・職人的仕事内容
となります。このdesignにおいては、ターゲットの顧客が誰であるかが、ある程度想定され、
そのユーザーに対してできるだけ完璧なデザインを施します。
例)お菓子のパッケージは、そのターゲット顧客向けのグラフィックデザインが施され、
自動車デザインも、特定のユーザー層を想定して設計される。(もちろん広告作成はターゲット割り出しが肝心です)

その仕事内容から、デザインを完成させることが一番の目的となり、
1mm単位のズレや予定外の色のムラも許されない。
おのずとデザイナーの仕事は極めることが重要で、かなり職人的な内容になってきます。


2. Design: 利用することを目的としたデザイン

次に来るのがインターネットやモバイル、そしてデジタルメディアの発達から生まれた
比較的新しいタイプのデザイン領域です。
これまでは紙媒体や物体など、手に取れるものをデザインしていたのに対し、
このタイプのデザインのその多くが画面の中に存在しています。

具体的な例として、
・Webデザイン
・UIデザイン
・デジタルコンテンツ

多くがデジタル媒体向けで、
一昔前は紙媒体を経由してからこのタイプのデザイナーになっていることが多いです。
しかし、最近では最初からデジタルオンリーのデザイナーも少なくありません。
一つ前のdesignと比べるとその役割と仕事内容に下記のような大きな変化が見られます。

・不特定のユーザー向け
・完成してからも改善
・進化し続ける仕事内容

つまり、デジタル x インターネットという特性上、
いつどこで誰がどのような方法でアクセスするかが予想しにくくなりました。
そして一つ前のデザイン領域とは比べ物にならないほど多くのユーザーに利用される可能性が高まりました。
それにより、完璧なデザインをするよりもより多くのユーザーに使ってもらいやすいデザインを施す必要性が出てきています。

Webサイト1つとってみても、世界中からアクセス可能。
そのデザインが表示されるデバイスもPCやモバイル、タブレットなど複数。
画面の大きさや解像度、発色具合などを考えると、全くズレのない完璧なデザインを届けることがほぼ不可能になっています。
したがって、完璧を目指すことがまず不可能。
むしろ完成という概念はなく、より多くのユーザーに使いやすいデザインを行うことの優先順位が上がります。

そして一度デザインしたとしても、そこで仕事は終わらりません。
テクノロジーやデバイスの進化に合わせ、常にデザインもアップデートする必要があるからです。
これにより、デザイナーの仕事も常に進化し、新しい技術や知識を常に習得する必要があります。
これは職人的デザイナー→進化型デザイナーへの変化でもあります。

3. DESIGN: 経営に対するデザイナー的考え方
最近アメリカの西海岸を中心に最も話題になっているデザインが、この全て大文字のDESIGNです。
このタイプのデザインは、見た目の美しさよりも概念的側面が強く、
主に経営や問題解決のプロセスとしての役割を果たしています。
当然、ビジネスの結果に対するインパクトも非常に大きいです。
守備範囲が広くなり、役割も増えたため、広い意味でのデザインとも称されています。

種類としては

・サービスデザイン
・UXデザイン
・デザイン思考

などが代表的です。
これらの広義でのデザインの特徴は

・ユーザー選定が重要
・リリース後からが勝負
・ビジネスとデザインの融合

ここにきて再度ユーザーの割り出しがとても重要になってきます。
というのも、「デザイン的考え方でビジネスを成功させる」がゴールとなるDESIGNにおいて、
主役は企業ではなく、あくまでユーザー。
したがって、どのようなユーザーにどのようなニーズがあるのかという、ユーザー中心の考え方が求められるのです。

一つ目のdesignではユーザーの年齢や性別などの属性でターゲットを定めていたのに対し、
ここでは商品やサービスが利用されるシーンや体験を設計します。
誰がだけをターゲットにするわけではなく、どの様なシーンで利用されるかをしっかりと想定するのです。

そして、ビジネス的価値を生み出す際に最も重要なのがプロダクトのサービス化。
言い換えれば、[ビジネスの勝負は商品を売ってから始まる]。
例えばスマートフォン。購入後も定期的にOSがアップデートされ、ユーザーに価値を提供し続けます。
モノから体験のビジネスモデルを作り出すのがDESIGNの役割でもあります。

最終的なゴールがビジネスへの貢献であることから、デザインとビジネスの融合を行うことが目標となり、
経営陣に対しデザイナー的感覚をインストールし、ユーザーにより良い体験を提供することで企業の成長を生み出す。
これは元々Appleが得意としてる手法です。

デザイナーとしてのスキルを身につけるか?マインドセットを持つか?

ここまでデザインの領域が広がった今、いきなり全てのデザインを網羅するのは難易度が高いですよね。
その一方、まずはデザインを活用するその目的を理解することで、
自分が必要なデザインの役割を見つけることができと思います。
デザイナーを目指していなかったとしても、デザイナー的マインドをセットするだけでも、
様々な仕事に活用することができるのではないでしょうか?

デザイナー的マインドセットとは
では、デザイナー的マインドセットの実態は何でしょうか?
これは、デザイナーが普段問題解決を行う際に利用している考え方やプロセスを元にしています。
感覚的には下記の要素になります。

【デザイナー的考え方】
・クリアにコミュニケーションを行なう
・正しいものを正しいところに
・自由な発想からスタート
・制限をクリエイティブの源に
・顧客/ユーザー視点で物事を考える
・仮説>コンセプト>プロトタイプ>検証>改善のプロセス
・失敗から学ぶ
・心地よさを優先する
・ロジックと感覚の両方を活用
・分かりやすく、使いやすくを優先
・Less is more
・相手の気持ちを理解する
・細部にこだわる
・本当の目的を見つけるために自問自答する
・一つの問題に対して複数の解決方法を考える
・前例のとらわれずに未来を考える
・全ては世の中をよくするために
・企業の利益よりユーザーのメリットを優先

デザイナーの究極的な役割は、未来を作り出すこと

今後もデザイナーに求められる領域がどんどん広がり、ビジネスにおけるデザインの重要性も拡大する中で、
これからはデザインがデザイナー職以外の人にも必要なマインドセットとなっていく可能性は十分高いです。

重要なのは、ユーザーニーズの理解、そこから導きだされる仮説、コンセプト作成、検証、改善のプロセスを通じた未来を作り出す思考です。
過去のデータとロジックだけに頼ったビジネスプランからは、現在存在していない新しいアイデアを生み出すことはほぼ不可能になるでしょう。

そこに必要になってくるのがデザインでもあり、クリエイティブ。
つまり私の出番なのです。

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